ツールドおきなわ レース本編

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今回はレースの模様をレポートしますがとにかく長いです。ひたすら長いのでおヒマな時に読んでやってくださいね。

 

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●レース前日

土曜日は朝0740時発のJET STER で沖縄へ。沖縄の天候は曇りで気温は20度前後。あまり暑くない。少しだけ蒸し暑いなと感じる。どんどんとバイク用の輪行袋やOS500が出てくる。そう、ホビーレーサーの甲子園とも言われる「おきなわ」なのだ。日本樹からあらゆるレベルのライダーがここに集結してきているのだ。

▪️皆何で輪行してるんだろう。。。
職業柄どんなパッキングが使われているのが気になった。やはりオーストリッチOS500が一番人気ではある。意外と普通の輪行袋を使っている人も目立つ。国内線に限定される話ではあるが、グランドクルーの荷扱いが比較的丁寧なので、リアメカを外す、養生をしっかりする。工夫次第ではキチンと運んで貰えるので、輪行自体の経験値が比較的ある人であれば、工夫次第で良いと思う。でもやはり安心なのはOS500やシーコンなどの専用ケースなのは間違いがない。

▪️やっぱり沖縄いいなぁ。。。

実はヨシノリ店長沖縄に半年ほど住んでいたことがあるのです。30代前半の頃。なので沖縄は第二の故郷みたいな場所。この空気感を感じると異様にリラックスしてしまうのです。

那覇空港に到着後レンタカーを借り、那覇の気に入っている沖縄そば屋でランチを食べ、高速で名護まで移動。まずは受付を済ませる。ゼッケンを貰うとさすがに「レースに出るんだ」という緊張感も出てくる。
10月全く練習してないヨシノリ店長。登りを完全に忘れているので、ヨナまで車で行きヒルクライムだけを1本登る。そもそもの練習ボリュームが少ないので、この時点で距離を乗ろうが無駄なので、ポイントになる登りだけ、1本登ることにした。

▪️沖縄は絶対に造山活動が起きている!

スタートゴール地点の名護から58号線を車で移動中に、名護からヨナまでの距離に慄く「あっという間だったはずだけど、こんなに遠かったっけ?」辿り着けるのだろうか?ムチャクチャ不安になった。ヨナを登った時は「こんな斜度あったっけ?」ああ、沖縄は激しい造山活動が起きているんだ。と納得した。造山活動ではない自分が増量してるだけである。(10キロちょっと)

天気予報を見ると、レース当日の風向きは北向き。本部半島を超え、58号に入ってからは向かい風になる。前に出られる筈もないが、前で無駄な動きは絶対にしない。後方でなんらかのアクシデントで千切れたら回復は厳しくなるかもしれない。元気のいい序盤は最初のヨナもいいペースで登る筈。試走で8割くらいのペースで25分なので想定から10分を失う筈。つまり、ここで千切れる事となるだろう。ゼッケンを貼り付けて、補給食を準備し翌日のタイムスケジュールを決めて床に就いた。

▪️レースはスタートするまでにルーティンを決めた方がいい

ヨシノリ店長はレース会場着からレースのスタートラインに立つまで、食事のタイミングや行動などを組み立てて、その逆を追えるようにしている。例えばスタートは7時27分だったら、7時には召集場所に。レースが長いので少し遅めの朝食でいいので6時過ぎに食べ終わるように。。なので5時半には起きて。。。前の日までに補給食はジャージのポケットに。。。とこんな具合。

▪️レーススタート!

さて、当日の朝は当初の計画通りに朝食を食べて、タイヤの空気圧を確認していざ会場へ。会場はもう人人人!実業団レースなどでは考えられないくらいの数の人がいます。50キロの各クラスのライダーが次々とスタートしていきます。
徐々に自分達のスタートが近づいてくる。昔に出た色々なロードレースの緊張感とはまた少し違う。
「どこまで持つかな」「完走できるのかな」「落車しませんように」そんな事を考えていました。

レーススタート。ブワァーーーーーーッと集団というか風の塊が進んでいく感じ。ああ、これこれロードレースってこんな感じだよ。って頭の中で考えていました。とにかく前に出る程の体力があるわけでもなく「ついて行けるだけついて行く」が基本作戦。集団の前段に上がるために力を使うことすら避けたい。非常にセコい走りしかできない。ただ、走りながら集団を観察する。「やっぱり怖い」いわゆるトップカテのレースなどと違って集団走行に慣れてなかったり、2列以上の集団の経験が皆無な人も多いんだろうなぁ。。。

▪️集団走行の仕方って大事!
こういう集団って「流れる水」というか「水槽の中に温度の違う水」を入れたような状態という感じに似ている。塊になった水の塊が集団という形の変わる入れ物の中で常に対流しているイメージなのだ。対流する水はその境目に「潮目」のようなものが存在していて、潮目に入る時は注意をしなければならない。また、コース幅や動きの変なライダーによって流れは変わる。慣れていない人はその「潮目」になんの躊躇もなく入ってしまい、落車を誘発してしまう。

本部半島周回時も何度も「チュゥーーーーーーーーーーーーッ!」タイヤをロックする音がしたり、ブレーキシューの焦げる音がしたり。「ウェェェェェェェィ!」落車や危険を知らせる声がそこかしこで上がる。危険だし緊張もするのだけれど、不謹慎ながら「なんかお神輿みたい」などと思い一人でニヤニヤしてしまったりもした。「あー今俺レース走ってるんだなぁ」と思いながら周りで散発的に起こる接触などにちょっと「怖いな」と思いながら、冷静に周りを観察していた。レース中の精神状態ってよく「切れてる!」とかそういうイメージを持つ方も多いのですが、ヨシノリ店長は「俯瞰したどこかから自分を眺めてるイメージ」なのです。よく怒鳴ったり叫んだりする人いるのですが。。。イマイチよく解んないんですよね。
集団が安定している時は、横の人と話したりしたいんだけど、なんかそういう雰囲気じゃない人も多数。もう少しリラックスして周りを見た方が危なくないと思うのだけど。。。

▪️やっぱり大落車発生
本部半島周回を終える手前少し道幅が狭くなり始めた場所。集団前段の形を見たら狭まり始めたので、少しだけ左側寄った瞬間。。。「落車ー!」叫び声が聞こえた。もうその時には右側には人とバイクが重なり合う「落車タワー」のような状況になっていた。辛うじてストップするだけで済んだが、軽くリアメカあたりに他のバイクが「コツン」と接触されたのが、なんとなくわかった。
複雑に絡み合ったバイクと人を必死にライダー達が剥がそうとしてるけれど、落車タワーというよりは「落車ミルフィーユ」のような「人・バイク・バイク・人・」みたいな状況なので難しそうだ。骨折した人とか居ないといいけれど。。。無事を心で祈りつつも、先に行ってしまったメイン集団を必死に追う。ここで追いつく為の時間を可能な限り短くしないと、レースが終わってしまう。こういう時はもうひたすらに引きまくる。人の後ろで温存とかそういうセコい事を考えてはいけない。後ろに何人引き連れようが、単騎よりも後ろ側に人がいる方が空気抵抗も減るので、心拍的には完全に無酸素領域に入ってるけど、ひたすら引倒す。きつくなったらローテしてすぐに入れる場所にすぐに入る。この先に58号線に合流する場所でコーナーがあり、さらに橋があるので絶対に速度が落ちる。そこまでになんとかしないと。。。辛うじて狙って居た場所で集団に復帰した。

▪️「ツールドおきなわ」は海岸線走ってる時が一番それらしくて好き。

58号線に入って海岸線を走ると少し集団は小休止モードに入る。ここで持参して居た固形食の2個目を食べる。登りで苦しくならないように、少し早めに固形食は食べておくべきだ。「ガッシャーン!」なんでもない広い直線で2名が絡んで落車!そう、気が緩んだ瞬間も危ないものだ。この辺になってくると段々皆集団走行にも慣れて来たか、走りが安定してくる。なんだか自分が流れるプールの中にいるような感覚になってくる。
下見の時はあれ程「距離が長すぎる」とすら思って居た国頭村まであっという間に来てしまった。ああ、昔もそうだったんだ。緊張して楽しんで居たから、全然遠くなかったんだね。

▪️1回目のヨナでメインから千切れる。

トンネルを越えると1回目のヨナの登りに入る。ここは約20分程度の登り。本土のヒルクライムと比べると斜度はそれほどきつくない。淡々と登っていける。。。(イメージだけは)ええ、当然千切れましたとも。ここで変なプッシュをしても無駄。今の自分の実力はここでダメージを負わないようにする事が大事。そう言い聞かせ、当然インナーローとか2枚目くらいで淡々と登る。青色吐息でKOMを通過。登り切る手前くらいからCOMカーがビタ付けされている。そうかなり後ろの方なんだ。。。軽く絶望する。最初のダムの補給所で空になったボトルを捨てる。水とスポーツドリンクを貰い、一本は背中に入れた。
この時点で先頭から6分以上遅れていると知る。想定ではヨナ一回で10分失う事を想定して居たので、まぁ本番効果なのだろうか。

下りに入り「安田」(アダ)の集落から奥という所までのアップダウンを千切れ組みの集団8人くらいで廻す。このくらいの場所に居るとあまり「ロードレースの走り方」を知らない人が多くなる。「登りでやたらと頑張り、下りは脚を止めてしまい、前を引くと微妙にペースを上げちゃう人」登りや前を引く時は「ジワジワ」と下りと平坦はとにかく踏む。こうやってペースを維持したのだけど、なかなか上手くいかないので、わかる人が、わからない人に教えてあげる。という図式になる。

でもね、、、ヨシノリ店長多分このメンツの中で一番弱いの。。。奥の集落に入る前から辛抱余らず千切れる。。。多分、「なんか走り方だけ口やかましい、わがままボディ居たなぁ」とか思われてるんだろうなぁ。。。

▪️奥からは他のクラスと混走になる。

千切れた数名を回収しながら奥の集落を超えたあたりで100キロクラスと混走になる。というよりも複数の距離とかクラスとの混走状態になるのだ。奥の登りをヒラヒラしながら必死に登る。目の前の他のクラスの選手達も辛そう。辺戸岬(沖縄最北端)を通過したあたりで落車。comカーが横に付いて居たが、重症っぽい感じだった。さっき前に居たメンツも混じってる。。。少しだけ暗い気持ちになりながら海岸線を北上していく。風向き的に追い風になる筈なのに全然楽じゃない!「なんでやねん!」と某長野のコンセプトストアの店長のマネなどしながら淡々と進むうちにトンネルに入ると「ウワォォオォォォォォォォォンん!」「うわっしヤァァァァァァァァス!」という多分トンネルに入った事を注意換気する大集団のサウンドが聞こえて来た。ああ、でかい集団に追いつかれたんだ。。。140キロクラスの集団だろうか。少し戸惑いながら集団に混じる。すると210キロクラスのゼッケンもちらほら。。。2度目のヨナの登りまでは意外と安泰に走る事ができた。

▪️2度目のヨナはもうただの地獄だった

まぁ、そりゃね。千切れますよ。2度登るんですもの。。。でもまだ120キロなんですよね。半分ちょいなんですよね。ここ。。。一気に弱気になる。こうなるとひたすら「忍」と「耐」という文字が頭の中になぜか毛筆で出てくる。インナーローでヒラヒラと廻しながら、とにかく頂上まで行く「もう足切りでいい」「2回登ったからもういいでしょ」結構弱気な自分が顔を出してくる。
なんかもう辛すぎるので、周りに見えるもので少しでも気を紛らわすようなものを探す。自分と似た体型の人を見たら妙な親近感を覚えて微笑んで見たり。(多分辛すぎて微笑んだ顔には絶対なって居ない)
結局2度目のヨナも足切りにも遭わず登りきった。そして水を補給する。ここから安波の集落に向けての下りだけど、もう足の力が残ってない。。。ただ、なんか少しづつ気分的に悔しくなってくる。「これで終わりにしていいのか?」「完走くらいはできるってお客様に見せてあげる事で、来年は沖縄に行こうって言おうとしてたんじゃないのか」「長距離レースや練習あるある」でもあるちょっとした感情の昂りのようなものがくる。まぁ、ただ単に下りに入って踏めるようになっただけという話もあるのだが。。。デブにとって下りは重力が味方してくれるのです。。。

▪️盛り上がって来たところでメカトラブル!

下りから登り返すポイントに来て結局やっぱり「デブはデブ」という事実に気付かされるのである。実はツールドおきなわは2度の上りの後のこの登りが実は辛いのです。疲れもあり足を削られていき操作が雑になって来る。インナーローに入れた瞬間「ガチャガチャ!パキーン」チェーンがローから内側に入りそうな嫌な感触があった次の瞬間脚を緩めたが間に合わず、スポークが切れてしまった。。。ホイールが大きく触れてしまいブレーキに当たる。。。ブレーキを解放してもダメ。
ニュートラルサポートを待つものの、ここまでくるとどの車もホイールを使い果たして居る。待ってもダメだ。少しでも進みながらサポートを待とう。。。
時速10キロくらいで登りながらとにかくサポートカーを待つ。1台。。。ダメ。。。2台目。。。。だめ。。。。3台くらいサポートカーや審判車に追い抜かれてようやくニュートラルカーにホイールを交換してもらう。

こういう時にね「今までどれくらいカーボンホイールに甘やかされていたか!」を知ることになる。走れるだけ全然いい。というかブレーキの当たらない車輪って最高だよね!
もうこうなってくると「是が非でも完走したる」と変なアドレナリンが出てくるもので、下り基調なこともありひたすら踏みまくる。集落の横を通ると住民が応援してくれるのもなんだか嬉しい。この辺りだともうローテもまばら、引けるだけ引いいて、時々後ろにつかせてもらってを繰り返して居るうちに、少しづつ大きな集団になって行く。高江の先の平坦路では5名くらいの集団。この辺くらいまでは昔走って知って居る200キロ時代の風景なのです。
この先は未知の領域。。。って。。。平坦長くないですか?ローテを廻しながら、ああ千切れそうだなぁ。。。そんな弱気になったりもする。

▪️もう最後の3回の登りは自分の知らない地獄だった。

有銘の登りの時点で地味に蛇行しながら登る。もうそうでもしないと耐えられない。心拍も170前後くらいまでしか上げられない。ヨロヨロと坂を登る。でも周りには他のライダーもいるので寂しくはない。ただもう残った力を振り絞ってヨロヨロと走るだけ。周りのライダーにあと登り何回あるんですか?なんて思わず聞いてしまう。こういうタイミングで少し会話したりもするのだけど、ツールドおきなわってガチレースだけじゃなくて、とにかくどのクラスのライダーであっても皆「チャレンジ」しに来てるんだなぁ。となんとも当たり前の事をしみじみと思ってしまうのです。
この山3つ越えてたら58号線の平坦にでられる。カヌチャリゾートの坂を登りラスト羽地ダムの登りに入る。。。って!なんですかこれ!道はまっすぐ直登気味だし、前は見えるし。。。もう足が止まりそうになる。泣きそう。。。
応援の人に励まされながら登り切る。あー、これを下れば、58号に出れば完走だ。そう思いひたすら下りで踏むが最後の200キロ地点の川上関門で目の前で赤旗が振られる。「ああ、レース終わっちゃった」関門まで3分くらい足りなかった。。。
足切りされた周りの選手と話しながら「また来年も来よう」そしてこの地獄を味あわせないと(笑

そう思いながらメイン会場まで自走していった。

▪️レース後の雰囲気がおきなわは最高!

会場から一旦ホテルに戻りシャワーだけ浴びて、速攻で名護市民会館のメイン会場へ。ビールが振舞われるパーティで色々な人と話す。いやはやこれがおきなわで最高なのです。売店で「おきなわそば」をまた食べるのですがもう、これまた塩気が最高に身体に染みるのです。地獄から急転直下天国になる。この雰囲気もやはりおきなわならではのものです。
さ!もう皆さん来年は是非一緒にみんなでおきなわを目指しましょう!


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