ディスクロードについて。

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実はディスクロードよりも先に、ディスクブレーキ装備のクロスバイクが好調です。

あ、最初に書いておきます。今日のエントリーは長いです。写真も少なめです。マニアックかもしれません。レースも走るライダーの視点でのみ書いています。覚悟してくださいね(笑
サンクスサイクルラボ西葛西店では、好調なFX3というクロスバイクに関して、販売比率が半分に迫るほどディスクブレーキモデルの販売が肉薄しています。
システム全体で重量増があるものの「ブレーキが効く」というメリットは何者にも替え難いものがあり、安心してオススメしているという理由もあります。

TREKチームは今後ディスクブレーキ仕様のバイクでレースを戦うことが決定しています。

この事を「ディスクブレーキ仕様モデルを売りたいプロモーション」と揶揄する向きもあるでしょう。一部の選手からネガティブな反応が今だにあるのも事実です。一応競技者だった(笑)ヨシノリ店長もその気持ちも解ります。実は自転車競技は「人間の占める要素」の大きな機材スポーツです。なので、統計よりも個人の感覚に重きが置かれる部分があります。そこで、メーカーやサプライヤー側の理詰めの理論を、選手が感覚で否定するというのはよくある話です。

ヨーロッパ人って意外と、神話レベルの与太話が好きな傾向があって「コリマ社(ヘリコプターの羽根を作ってる会社)のバトンホイールが落車して横になったバイクが舞い上がった!」なんて話が普通にあったりします。よーく考えたらわかるじゃんね。。。

今日のブログでは「マウンテンバイクのVブレーキ→ディスクブレーキ」「シクロクロスのカンティブレーキ→ディスクブレーキ」を経験してきたヨシノリ店長の経験を基にして、今後の流れを読み解いていこうと思います。

 

恐らく今後リムブレーキの進化は止まる

 

UCIは7月1日からディスクブレーキの全面解禁を発表しました。憶測ではありますが、今後リムブレーキ用キャリパーはシマノ現行の9100系の構造を基に、そこから先への進化は鈍化もしくは、止まって行くものと思われます。それはカンティブレーキ・Vブレーキが辿ってきた道程でもあります。
それは数年で消滅するという事は無いでしょう。しかし、ハイエンドモデルのリムやキャリパーの構造的な進化は無くなっていくでしょう。だからと言って、リムブレーキが消滅していくかと言えば、そうでも無いのでしょうけれど。製品のライナップ上から2〜5年のスパンで整理が進んでいくのでしょう。

 

レースの世界ではどうなっていくのか?

 

ヨシノリ店長はMTBレースで成績が良かった時代「Vブレーキ職人」と呼ばれていました。恐らくナショナルランキング20位以内でVブレーキを使用していた選手は2−3名だったと記憶しています。理由?ホイールの重量増が嫌だったのです。実はフルサスもディスクブレーキもテストした事はあります。ただ、その頃の自分のレーススタイルは「登りで勝負を決める」というかなり切り詰めたもので「スペアチューブも持たない」「タイヤのグリップも抵抗にならないように、ノブの真ん中を切り落とす」というスタイルでした。下りのブレーキング?ええ、全っ然止まりません。「極力ブレーキを掛けず、タイヤのサイドノブを使って曲がる」というスタイルでした。でも、下りは遅かったですねぇ。。。「ヨシノリダム(後ろの選手を堰き止めるから)」というワードがあったくらい。

その後、マウンテンバイクのフルサス化に伴い、下りのセクションの激化とスピードの変化についていけずにディスクブレーキ化しましたが、最初は「重たいなー」と思っていましたけれど、慣れると「今までの苦労って何だったんだろう」と思います。
ここでハッキリ書きます。選手の感覚やコダワリなんて、結構そんなものです。(自分に限りですが)
大きなイノベーションに対する個人的な感覚は、最終的には統計に基づいたテクノロジーに淘汰されます。

シクロクロスではどうだったっか?

マウンテンバイクではレギュレーションによってディスクブレーキが禁止される事は、ありませんでした。シクロクロスでは2010年頃に、それまで禁止されていたディスクブレーキが解禁になりました。ただ、シクロクロスは市場規模も小さく、2010年当時今ほど盛り上がっていた訳でもなかったので、専用のパーツが開発される勢いがあった訳でもありませんでした。

アドバンテージはあるのですが、ここ4−5年前くらいまでは「いやいやカンティだよ」「ブレーキ掛けない方が速い」そう言われていました。ワールドカップや世界戦を見ていると、2-3年でディスク率はほぼ100%でレーススタイルも大分変わってきています。元来タイヤのグリップの低いシクロクロスでは、ブレーキング時に縦方向のグリップを使わないコーナリングスタイルが主流でした。
ワイドリムの普及によってタイヤ剛性が向上した現在(ワイドリムを使用していてもタイヤ幅はレギュレーションによって制限されています。コーナー直前まで全開でペダリングをして、一気に減速してコーナーをクリアするスタイルに変化してきています。こうなるとリムブレーキでの対応は難しく、ロードレース的な要素もあるレース展開ののシクロクロスでは「リムブレーキだと同一パックでコーナーに入るたびに、進入時の減速時間が長くなり、立ち上がりで踏まされる」こんな現象が国内でも起きています。

ヨシノリ店長も今季から(遅っ!)ディスクブレーキのバイクを投入します。カテゴリー1に上がりたいし。。。

 

ディスクブレーキ世代では、フレーム剛性とリムの性能が上がっていきます

どのブレーキシステムを使うのか?というよりもブレーキシステムの変更に伴うフレームとリムの規格変化がキモだとヨシノリ店長は感じています。
まず「スルーシャフト」この仕組みのフレームとフォーク剛性に関する寄与は大きいです。確実にフレームのフィールが「シャッキリ」します。現行のバイクに関しては、剛性計算も積層設計に含まれますので、スルーシャフトを採用した状態での計算もされているのです。また迷走を続けていたフレームとブレーキの規格も「フロント12X100とリア12X142」「ブレーキマウントはフラットマウント」この2つで一応の統一がなされるでしょう。大手メーカーだけでなく弱小メーカーもここに倣うでしょうから、一層普及が進むものと思われます。

リムに関しても「ブレーキの摺動面を兼ねる」という性能が必要がなくなったので、形状や積層に影響が出てくるものと思われます。この辺はマウンテンバイクのホイールの進化を見れば一目瞭然であります。今後「ディスク専用のリム」が当たり前のようにリリースされるでしょう。こうなったら、リムブレーキの「軽さ」というアドバンテージが削られていきます。UCIの6.8キロ規制が撤廃されない限り、リムブレーキは衰退していくだろうと思われます。とはいうものの、ニューモデルではディスクブレーキが大半を占めるでしょう。しかし、リムブレーキが直ぐさま無くなる訳ではないと思います。ロードレースではブレーキの要素が前述の競技(シクロクロス・マウンテンバイク)に比べると少ないのです。一般ライダーの買い替えなどの機材更新が徐々に進むであろう、2019年から2022年辺りに順次ディスクブレーキがスタンダードになっていくと考えています。

国内レース好きとしてはJCFとJBCFの対応が待たれます!

今回発表された7/1よりのディスクブレーキ解禁は、世界の自転車競技の元締めであるUCIの決定です。JCFはUCIの下部組織なので、そのまま決定を踏襲するのですが、国内レースのトップカテゴリーであるJBCF(全日本実業団自転車競技連盟)およびツールド沖縄実行委員会辺りの「ディスクブレーキ解禁」アナウンスのタイミングが、レースにおける普及の重要なポイントになると思います。ニュートラル車輪などの確保などがキーだと思いますが、新機材導入のタイミングなどを考慮すると、なるべく早いタイミングでのアナウンスに期待したいものです。

前回の雨の那須のレースでも思いました。。。今、ディスクブレーキだったら、プロトン全員が「止まれないかも」という不安から解消されるのです。やはり、そのアドバンテージは大きいですし、安全に寄与すると思います。「おきなわ」も同様です、ただ距離が長いのでニュートラル車輪を使う機会も多いと思いますので、ディスクブレーキの使用がデメリットになる可能性も若干ありますけれど。。。

今までのコンサバな機材のカッコよさ大好きなんです。だからいつまでもなくなって欲しくない。末長く大好きなアンブロのネメシスで組んだ車輪を使いたいのですけれどね。本音は。。。楽しむ機材とレース機材。安全に快適に走れる機材は、イコールでない場合も多いですから。。。


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