異なる寸法のバイクにフィッティングで得たポジションを移設

ブログのカテゴリ分けに「バイクフィッティング」があるのを思い出しました(笑

2台ともワタシの使用車です。どちらもEmondaです。奥は先日の記事で触れたALRです。手前はレースバイクのSLRです。身体の触れるパーツはクランク長は同一で、サドル銘柄は同じ(montrose)ハンドルはALRが「deda zero100」SLRが「リッチーネオクラシック」です。
フレームはどちらもEmondaなのですが、ALRはH1というスケルトンでSLRはH2というスケルトンです。

■H1スケルトンとH2スケルトンの違い

ホイールベース・シート角・ヘッド角は同一で、ヘッド長が長く、トップ長が少しだけ短いというのが特徴です。フレームのリーチは約9mmH1の方が長く、スタックは29mm長いのです。
これはどういう事かと言うと、地面と接してる側の数値は同じで、人間の接点になる側の数値が違います。それはどう言う事かと言うと、想定している乗車姿勢(状態が少し起きてるor深い前傾)が違うのでこのようになっています。

H1はハンドルの低いレースをするライダーを想定したセッティングを作りやすいように出来ています。
H2はH1と比較をすると少しだけ起き上がったフォームになりますが、むしろ普通にロードバイクを楽しまれる方にとってはセッティングを出しやすいとも言えます。

■乗る人と目的が同じなのでフォームも同じ

ワタシはどちらかというと「レース派」で、見た目からは解らないかも知れませんが、身長166センチにしては手足が長い方です(自慢
上半身というか腰部と股関節の柔軟性は比較的高く、ハンドル位置が低めになる傾向があります。
なのでメインバイクはH1スケルトンをチョイスしています。
セカンドバイクのALRはH2スケルトンのみの設定です。レースも含めて大多数の人はこのH2で問題なく乗れる寸法だと思います。ワタシは長年レースをしてきているのと、身体的な特徴によりH1スケルトンのバイクの方がセッティングを出しやすいのでH1をチョイスしているのです。

■異なるスケルトンのバイクを同じようにセッティングするには?

最初の写真が少しわかりにくいかも知れませんが、パープルのフレームのトップチューブが飛び出して見えてますね。ヘッド長が長くトップチューブの高さも少し高くなるので、重ねてみると飛び出して見えます。サドルの銘柄や位置は、同じに合わせてあります。
ブラケット部が完全に隠れて見えていると思いますが、一番握るハンドルのブラケット位置は同一に合わせてあります。
銘柄の違うハンドルを使っていますが、ドロップ部も位置関係がなるべく近づくようにしてあります。H1とH2の異なるスケルトンのバイクの、人間側のセッティングをなるべく近づける為の工夫。これもフィッティングの一部です。その前提として、現状のセッティングが「正常のフィッティングの範疇であるかうか?」は重要なポイントではありますが。。。

工夫はしていますが、実は大したことはしてないんですけどね(笑

H1スケルトンのバイクには角度7度のXXXステムを使用し、20mmのトールキャップをそのまま使っています。スペーサーは5mm+3mmです。シーズン中は5mmだけになる時もあります。

違和感なくハンドル周りを組むことが出来ています。このように自然に「出したいポジション」をワタシの体格と特徴であれば出せるのがH1スケルトンを選ぶ理由です

 

H2スケルトンのバイクで同じセッティングを実現する為には。。。先ずトールキャップを手持ちの薄いトップキャップに変更しました。そこに3mmのスペーサーを入れています。
ステムはもう10年選手じゃないのか・・・・ITMのVISAというステムです。実はトールキャップを交換せずにラインアップ上にある17度のステムを使えば済むのですが、、、
どうもその「丸ハン」の下の直線部と、17度のステムは相性が悪くて角度がチグハグに見えるとカッコ悪いんです。なので、10度のステムで位置を下げつつ、見た目のバランスを考慮してこうなりました。トールキャップがあるままだとブラケット位置が合わない&下ハンの位置が出ないので、
ハンドルをSLRと同じリッチーではなく、dedaのzero100を使いました。ハンドルのリーチも少しだけ長いので、フレームのリーチが足りない問題もコレで解決できます。

多少の裏技的方法は駆使しましたが、これでH1スケルトンのバイクのセッティングをH2スケルトンのバイクに移植し、かつ見た目も損なわないように出来ました。

■フィッティングで大切なところ

プレシジョンフィットでは「身体の寸法を測り」「どこかの角度を何度にする」というのは目安としてありますが、あまり重要視していません。ワタシの場合はフォームを先ず見ています。身体の使い方が適切か?アセスメントの項目では、そのフォームがどういった身体的特徴によって起きているのか?この辺を観察します。
再度乗車してもらい、今度は身体の使い方についてアドバイスしたりする場合もあります。
そこで、まず適切なフォームを作ることを意識してもらってから、バイクのセッティングを合わせていきます。
楽器の調節や調律ととても似た作業なのです。先ずは正しいフォームで楽器を持ち、動かし方を習ってから、細部を調整していきます。なので出来たフォームに楽器を合わせていきます。

なので、バイクが変わっても、フィーリングを含めて同じようにすることが出来ます。
もし、バイクの乗り換えなどでのご相談もお受けいたしますし、セッティングでお悩みの方も是非一度フィッティングを受けてみてくださいね。

 

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