初心者こそバイクフィッティングが重要

今日はロードバイク購入から2ヶ月のお客様のフィットでした

今日のフィットはロードバイクを初めて2ヶ月のライダーのフィットでした。大手販売店さんで行われているフィットサービスを受けて納車されたバイクだそうです。
それまではクロスバイクでのライドを楽しまれていたそうで、それからロードに移行されたので、今は楽しくて仕方がない様子。様々な方の動画だとか本やブログを熱心に沢山読まれています。その結果「正しいことが解らなくなってしまった」という、よくある袋小路にはまってしまったようです。

今回のフィットでは、断片的な言葉やそこで語られている内容を整理し「どのような事を意識すれば良いか?」をお話しして、身体の使い方を少し指導した後に、アセスメントを行ってからフィットに入りました。

●バイク側でいじった事はこんな感じです。

・靴の履き方が正しくなく(バックルの締め順)ヒールカップに正しく足が入っていなかったので指導
・右足が外側を向く傾向があったので、その方向に合わせたクリートセット
・自分でつけたクリートだったのでスタンス幅に対して何故か広くセットされていたクリートを適正化

・サドルの座る位置がイマイチ解らない、と言う事だったので骨とサドルの関係を話した上で、適切な着座位置を指導。そのあとで高さと主に前後位置を変更(脚の長さを機械的に測るフィットだと大腿骨の長さに関係するサドルの前後位置が正確に出づらいです)

・サドルが1センチほど後退した事により、ハンドルが遠くなったのでステムを変更最初は柔軟性を考慮して2センチ縮めたのですが、下ハンでも肩周りが押し下げられる感じが見られたので、1センチマイナスのステムに変更。
・下ハンを正しく持てるように、持ち方を指導したあとでハンドルの向きの修正。
・ブラケットを上半身のフォームに合わせて角度を適正化

細かく書くとこんな感じになりますが「クリートいじって」「サドル下げて」「ステム短くして」「ハンドルの角度とブラケットの角度を変えた」それだけです。でも、そこに至るプロセスには全て理由があり根拠があります。これが「バイクフィッティング」です。
骨盤を立てるとか寝せるとか、そういった様々なフォームにも対応できます。ごくごく自然な、ノーマルでニュートラルな位置にライダーを置いてあげる事が大事です。

乗りながら徐々に頭の中でモヤモヤとした様々な理論が整理され、実際に心地よくペダリングできるようになると、表情が明るくなっていくのです。フィッター冥利に尽きる瞬間でもあります。

■当たり前の事をちゃんとやるのがフィッティングです。

ワタシ自身は、以前勤めていた会社でもフィッターをしていました。そのせいか、フィッティングをされている方との面識も普通にあったりします。
以前同じレースでバチバチやり合った人がフィッターやセミナーをされたりしているパターンも結構あります。
結構、センセーショナルな触れ込みで紹介される人や、信者的なファンを獲得しているメソッドもあります。でも、語られている言葉をしっかり咀嚼して、内容を聞いてみると「すごく基本に忠実な当たり前のこと」を実施してるのです。

「骨盤がほにゃらら」しようが「加持祈祷」しようが「ステムがぐいーんと伸びちゃう」しようが、人間という部品がバイクの上にマウントされる。と言う事に変わりはなくて、圧倒的に大きな要素である「人間というパーツの操縦方法」を教えたり、作業療法士の資格のある人の場合は、動作に制限のある因子をトレーニングによって取ったり。。。
人間側をなるべく変えずに、今の状態のままなるべくバイクが快適になるようにしたりします。

もし「ステムの長さがぐいーんと伸びる事」が目的化していたりするとしたらそれは発信する側(フィッター自身ではなく記事化する過程だったり)や、受け取り手側にバイアスが掛かっている場合が沢山あります。
得てして語られる言葉や、その場の雰囲気で信者的なファンを獲得するような方法だってあるでしょう。でも、実はそこで表現される内容は本物のフィットであれば「自転車ってこう言う風に乗るもんだよね」という基礎に忠実であるのです。もし、仮に「全く新しい自転車にのるメソッド!」というのを声高に語るところがあるなら、それはマヤカシだとワタシは思います。

ただ、どうしても様々な出版物や、ブログや動画みてると、なんか「なんとかメソッド!」って名前になってしまうし、それが凄く新しい何かのように思えてしまうのですよね。自転車というシンプルな乗り物に乗るのに、そんな難しいものはなくて、本当にその方法もシンプルなものです。

もし迷ったら基本の「ポジション」に戻せるように、フィット受けるのはオススメですよ。

■基本的なフォームの大切さ

ここからは、確実に雑談です。興味のある方のみ読んでください。
ワタシ、昔ギター小僧でした。ちなみに、度重なる落車や腱断裂などで弾かなくなってから大分経ちます(笑)小さい頃ピアノを習っていて、その頃に楽器を演奏するときの「基本的なフォーム」について徹底的に叩き込まれたのです。「椅子に正しく座れ」「指を潰すな」「手の下に卵があるように」「5の指をキチンと使え」よく叱られたなぁ。。。

その後ギター小僧になる訳です。当時はHR/HM全盛期(でもなかった)なのでハイテクニックを持ったギタリストに憧れたものです。ただ、ロックギタリストとしては「ギターは低い位置の方がカッコいい」という不文律がありまして、またグランジという音楽の流行もあり(カートコバーンはカッコ良かったですよね)ギターの位置はドンドン低くなっていきます。でも、元々ギターはクラシックギターなども「座って弾く」のが基本の楽器。そうするとエレキギターであっても、ボディの位置というか、ブリッジの位置はおヘソのあたりになります。

速いフレーズや丁寧に弾きたいとき、ボディの位置が腿に当たるくらいの位置(カッコいいですよね)だと弾きづらい、ネックに対しての手首の角度もキツくなるし。そうなるとやはりジョージリンチのギターの位置が正解なんですよね。大事なのはカッコいいか悪いか?じゃなくて「正確に正しく弾けるニュートラルな位置」に楽器を持って構えられるか?という事なんだと思います。
画期的な演奏法だとか、奏法だとかフォームとかスタイルとかセンセーショナルなもの沢山出てくるのですけれど、絶対に「基本に忠実なフォーム」を獲得した上で、各自「スタイル」出してきています。これはバイクだって同じだと思いますよーという与太話です。

ちなみにワタシの好きなギタリストは。。。ジョン・ノーラム ゲイリー・ムーア ジョー・サトリアニ カークハメット デイヴ・ムスティン エリック・ジョンソン カート・コバーン 田渕ひさ子 高中正義 野呂一生 パッと頭に浮かぶ義名前を出すと本当に脈絡がないなーと(笑

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