新型ドマーネ(Domane Gen5)試乗してきました!

レースの呪縛を離れて自由になった「エンデュランスロード」の再定義と再解釈

note(ノート)
実際エンデュランスロードってなんだろう|サンクスサイクルラボ小岩店 販売店スタッフの皆さん「エンデュランスロード」とちゃんと向き合ってますか? 散々エンデュランスロードを販売しておいて何言ってるんだ?そう思われるかも知れません。...

以前小岩店のnoteで「エンデュランスロードとは」という記事を書きました。
見出しでは「エンデュランスロードの再定義」などと書きましたが
実際の根本的な部分は変わっていません。
ただレースが高速化した事とチューブレスタイヤの普及などにより

「パリルーベで衝撃吸収性に優れたエンデュランスロードを使って選手を勝たせる」
というお題目が必要なくなりました。
今はどうなっているかと言うとUCI規定一杯の34C辺りのタイヤをエアロ系のバイクに使い
衝撃吸収性を全面的にタイヤに担わせてています。
そもそも山岳がなく超高速レースであるモニュメント系レースですから
空力をフォーカスしたバイクでを闘うのが一般的になったのです。

実際のところ「レースに勝たせる為のバイク」というお題目はマーケティング的には有利に思えます。
そもそも「エンデュランスロード」とは
「ロードレーサー」(レース用ロードバイク)しか無かった時代に「
長い距離を楽に楽しく走るバイク」として生まれたのが「エンデュランスロード」というカテゴリーです。
つまり「レースの呪縛から離れたバイク」というものでした。

実際のところGen3辺りからレースで使われる事はなくなりました。
ただ、どうしても「速く」「楽に」を追求していくと「ロードレース向けタイヤ」を選ぶ必要性が出てきます。
こうなってくるとタイヤ幅は必然的に2〜3年前まで32C辺りに留まってしまいます。
まだまだ「可能ならタイヤは細いほうが軽いに決まってる」という呪縛もありました。
Gen3/Gen4も35Cタイヤを履くことはできます(最大38C)それに適合するいいタイヤが無かったのも事実です。
Iso speedの為のストレージがあったりもしましたが、レースを念頭に置いたRSLはストレージを廃止して軽量化を計ったりもしていました。やはり「レースで使う」が念頭に置かれたモデルの側面がありました。

グラベルレースの先鋭化がロードタイヤの進化を促した

元々アドベンチャー的な要素が多かった「グラベルロード界隈」ですが、ここ数年は「アンバウンド・グラベル」などの「グラベルレース」がアメリカ主導で盛り上がり、ヨーロッパに飛び火してきています。
キャンプしてライドしてという牧歌的なスタイルもありますが、レースが盛り上がりを見せる事により機材競争が激化しました。
その結果35C以上の幅を持ったタイヤのラインアップが豊富になり、ホイールもタイヤも先鋭化していきました。
そしてその結果タイヤが著しく高性能化していきました。

より軽量のケーシングとハイグリップのコンパウンド。硬い路面の時に使う「コレほぼスリックじゃん!」というタイヤも登場しました。その結果35C以上のロードタイヤの性能も釣られて上がっていっています。
実際のところVittria Corsa Pro Contlorは38Cと42Cが新たにラインナップされています。
今後こういったオンロード向けの35C高性能タイヤが多数ラインアップされていくものと思われます。

高性能タイヤがようやく「エンデュランスロードのコンセプト」に追いついた

オンロードを中心に「楽に」「速く」「遠くへ」というのがエンデュランスロードのコンセプトです。ただ、先述のようにタイヤやホイールの制約があって、そのコンセプトを具現化しづらかったのです。
自転車とは「地面の上にあるタイヤとホイールをフレームで繋ぎその上に人間を乗せたもの」となります。
地面との接点はタイヤになり、人間側の接点はペダル・サドル・ハンドルとなります。
走る路面と走り方の定義は同じですが、タイヤ側の性能がこれに追いついてきました。より理想的な状況になったと言えて、レースという「走り方の呪縛」からも離れた事によりより自由になったと考えます。
人間側の接点の配置を「ライディングポジション」と言いますが、コレに関しては自由度が高く少しだけリラックスした長時間走っても疲れないセッティングを取れるようになっています。
これは、今までのエンデュランスロードの美点であり、グラベルバイクで採用されている「フレアハンドル」の使用で更に幅広い路面にも対応できます。

新型の変更点は「ISO Speedの廃止」「40Cタイヤへの対応」

今までの長い前フリを受けて今回の変更点を書き出すと「真相」が見えてくると思います。
TREKバイクの設計思想は昔から変わらなくて「必要なら付け加えて」「不要なら外す」と言うものです。
「DomaneといえばIso Speed」と言うイメージでしたがGen7 Madoneに続いてDomaneからも外されました。
衝撃吸収装置として採用されているものですが、トラクション性能(タイヤが地面を掴む性能)の向上にも一役買っています。

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だいぶ昔の記事ですがこの辺りも参照していただけると幸いです。
この時代はまだチューブラーがレースで使われていて、チューブレスが徐々に普及し始めた頃です。
リムの内幅も17cが多く19cや21cが増えてきた時代です。
今や21mmが標準で23mmも珍しくありません。これは何を意味するかというと「タイヤのトラクション性能と転がり抵抗の両立」「タイヤを低圧に出来るので衝撃吸収性能が向上した」と言う事です。

つまり「40cタイヤの機能を付け足せば、IsoSpeedを使わないで済む(軽く出来る)」と言う事です。
この辺の判断が「マーケティングに操られていないメーカー」と思えます。
これ書いたらTREKのマーケティングから叱られそうですが。。。
「地味ですもん」「Iso Speedありません」とか言われたら。
穿った見方しようと思ったら「軽くしたかっただけでしょ」と言えちゃうわけです。

でも地面の接点に近い「タイヤとホイールの性能が向上した以上Iso Spedはなくていい」と言う判断

変わってないのは根本的なジオメトリーの考え方

大抵のショップさんも、ユーザーもDomane=Iso Speedをアイコンとしています。
確かにキャッチーですから。。。でも本質はそこにはありません。
「舗装路を中心とした長い距離を、楽に、早く走れるロードバイク」
これがDomane=エンデュランスロードの定義です。
そしてこれをどう実現するか?と言う観点で作られた「ジオメトリー」(寸法)に対する考え方は初代から変わっていません。

「長いホイールベース」(直進安定性)
「少し長いヘッド長(スタック)」(楽なポジション)
「低めのBBハイト」(低重心化による安定性の向上)
「寝かせ気味のヘッド角と長めのトレイル値」(穏やかなハンドリング)

これは根本的に変わっていません。
スプリントなどの鋭さは少し減ったものの。
自信を持ってバイクをコントロールすることが出来ます。
その昔エタップにDomaneでチャレンジした女性アンバサダーがこう言いました
「Domaneならダウンヒルが怖くない」
「自信を持ってアルプスの下りを走れた」
実は彼女が以前乗っていたのはイタリアンブランドのバイクだった筈。
「なるほど」と唸ったものです。

乗ってみて思った「速くて怖くないロードバイクそれがDomane」

「速くて楽で怖くないロードバイク」これが今も昔も続くDomaneの印象です。
ここに「軽さ」が加わったのが今回のモデルチェンジです。
でも、本質的には「バイクのコンセプトにパーツやテクノロジーが追いついた」とも言えます。
理想を叶えやすくなったということです。
新型Domaneのファーストインプレッションはというと。
「なんかフツーのロードバイクになったな」
「太いタイヤの履けるEmondaじゃん」
今までのDomaneの特徴でもありネガティブポイントでもあった「重厚さ」が影を潜めました。
でもEmondaのようなレーサー好みのピーキーさはあまりなくて
「速いけど怖くない」という印象です。
ここ最近のエンデュランスロードにある「楽しいけど速い」「楽だけど速く走る事のできるバイク」
この文脈に則っています。
重量が軽くなっから当たり前なのかもしれませんが標準サイズの35Cタイヤ(太い!)であっても「軽やかさ」が加えられたように感じます。これは今までMadoneやEmondaを注目していたユーザーにとって
「まったり走るバイクはちょっと。。。」
みたいな印象を打ち砕くロードバイクのように思えます。

レースもツーリングも普段のライドもカフェライドも。。。
「何でもできちゃうスタイリッシュなロードバイク」

そして、みなさん気づきましたか?
フォークや他の場所のストレージなどの取り付けグロメットが減った事。
スズキにとっては「若干迷走してるな」と感じていたDomaneですが。
ロードバイクとして正常進化したんだなと嬉しくなりました。
そして過去一カッコよくなったなと。

昔からロードバイクとしてのDomaneのジオメトリが好きだったので
ようやくさまざまな呪縛から解かれて「本来の姿を取り戻したね」と。
アイドル売りされていた実力派バンドが、数々のアルバムを経て。。。
ようやくその音楽性を表現できるようになった5thアルバムを聴いて感動してるオジサン。
そんな気分に浸っています(誰にも通じない)

個人的にはリムブレーキ最終のEmondaがベストEmondaだったのと同じように
Domane Gen5は過去最高作であるし今後も「あれは良かったよねぇ」と語られる1台になると思います。

ちょっと大人のロードバイク「Domane」

世界的には「グラベルバイク」への資源集中が激しくて
モデル数を減らすことが至上命題である昨今の自転車業界に置いて
このDomaneがどれくらい継続してくれるかすら疑問視しています。
また、今のこのピュアでイノセントなロードバイクとしてのDomaneはこれが最後なんじゃないかと
そんな危惧も少ししています。

ただ、明言できますが。
日本国内でロードバイクを楽しむならば。。。
Domaneよりも懐の広いバイクは無いでしょう。
乗ってみた感じは「SLR」がやっぱり最高です。
もう大人ならしばらくしたら実装されるのは間違いない「Project One」で
やりたい放題カスタマイズするのも良いと思います。

試乗してみてベストバイだなと感じたのは。。。
Domane SL6とDomane SL4です。
末長く楽しめる1代になると確信しております。

詳しいことは是非!西葛西店に聞きに来てくださいね。
スタッフ全員試乗してますから!!!!

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