自転車と旅する八重山の休日

〜石垣島と西表島、ふたつの島をめぐる旅〜

石垣空港 (帰路)飛行機出発2時間前に到着

① プロローグ:何もしないをしに行く旅へ

こんにちは田口です。
沖縄本島にはこれまで何度か足を運んだことがあるものの、そのほとんどがレース絡み。

空港から会場へ直行、終わったら空港へ直帰。そんな“レース特化型の旅”ばかりだったので、観光やサイクリング目的で沖縄以南を訪れるのは、実は今回が初めてでした。

きっかけは、1〜2月に訪れた北海道旅。あの時期の北海道は、油断すると本当に命の危険を感じる厳しさ。
「次の旅はあったかい場所で、のんびりしたいなあ…」そんな気持ちがふと湧いて、南の島へと心が向かっていきました。

最近の旅のテーマは「何もしないこと」。これは“仕事をしない”という意味ではなく、予定を詰め込まず、気の向くままに過ごす旅。
そして思い浮かんだのが、八重山諸島。石垣島を拠点に、西表島まで――そんな自転車旅を、今回はしてきました。

南ぬ島 石垣空港 到着は遅延により日の入りとともに空港に降りた

② 石垣島:海沿いの風と走るロードライド

今回は飛行機以外、すべて自転車移動。
石垣空港に到着したのは18時すぎ。フライトの遅れで空はすっかり真っ暗。
そこから宿のある新栄町まで、ライトを灯しての真夜中サイクリングが、旅のスタートでした。

▷ 石垣島滞在スケジュール
(実際は予定組まずに現地入りしたので、どちらかというと結果ですね。)

1日目(到着日)
・空港 → 市街地ゲストハウス(夜間サイクリング)

2日目
・市街地周辺をうろうろ散策、地元グルメを堪能

3日目
・ビーチ巡り:南ぬ浜、マエサトビーチ、大浜海岸、フサキビーチなど
・「走っては止まり、波を見て休む」の繰り返し

4日目
・石垣島トライアスロン(※別記事にて)

5日目
・西表島 ネイチャーサイクリング 大冒険になりました。

6日目(帰路)
・早朝ゲストハウス → 石垣空港へライド移動 → 那覇空港経由羽田着

石垣島は自転車で回るのにちょうどいいサイズ感で、信号も少なく、交通量も少なめ。
風を受けながら海沿いを走り、気になるスポットでは気ままに停まって、写真を撮ったりぼーっとしたり。
この「立ち止まる自由さ」が、島旅/自転車旅の醍醐味だと感じました。

③ 西表島:原生林と出会うグラベルライド

「西表島、行けたら行こう」

そんな軽い気持ちで朝を迎えた大会翌日。だけど30歳を過ぎて思うのは、「やらなかった時の後悔」の方がずっと後に残るということ。
結局、荷物をまとめてフェリーに乗っていました。もし帰り便が欠航しても大丈夫なように、最低限の装備は持って。
西表島を選んだ理由は、石垣の方々が口を揃えて「初めての離島ならまず西表!」と勧めてくれたから。

行きは外甲板、帰りは船内に案内いただきました。 ありがとうございます!

結果、行って本当によかった。

ざっくり「けっこう走るつもり」だったはずが、どこを走っても景色が圧巻で、思った以上に時間を奪われていく。
南風見田の浜、マーレ浜の抜けるような青さ、サトウキビ畑に吹く風の音、もみ殻ロールのある道。

牧草ロール 圧巻の大きさ

途中の製糖工場では、試食の黒糖がまるで果物のようにみずみずしくて驚きました。

西表糖業株式会社 西表事業所

お土産に黒糖と、なんとその黒糖を使った虎屋の羊羹をゲット。
八重山諸島の島ごとに黒糖の特徴は明確に違うようです、味比べセットも帰りの船で買ってしまいました。

この道はどこまで続くのだろうか?気づくと道はなくなってました。

さらに奥地へグラベルバイクで進むと、熱帯林の中に放牧された牛がいたり、唐突に馬が出てきたり、空砲の音にドキッとしたり。

自撮りしろ!とご指導に則り。。。

冒険感たっぷりのサイクリングでした。
人工的な見晴らし台があったので上がって1枚📷️
眼下には川下りを楽しむ方々もいて、自然を楽しむアクティビティに恵まれた島であることを
とても強く感じました。

こういうこと。とても、穏やかでゆったりと蛇行していく川。
地元の優しいご飯をいただきました。

昼食は地元の民家食堂で、おまかせの地元料理を。

食後に出てきた、月桃の葉で蒸した黒糖蒸しパンと、おばあ謹製の紅茶の香りが忘れられません。
道中の製糖工場での話、風景、食堂の方が収穫した月桃の葉この一口にストーリーが凝縮しています。

月桃の葉の上で蒸した西表の黒糖を使った蒸しパン。 

④ 備忘録

▶ 輪行について

・自宅〜羽田空港:約15km(40分)
・西葛西店からなら約30km
・輪行袋:マルト RK-02(簡易型)
→ 軽量・コンパクト。丁寧な梱包は必要だが旅先では圧倒的に便利。

初心者の方は、自宅や当店での事前パッキングがおすすめ。慣れれば空港でも対応可能になります。
フェリー輪行は預ける必要がないので、梱包はとにかく簡素でOK。
「運ぶ」より「連れていく」感覚で楽しめます。

▶ 荷物管理と装備

・基本は「なるべく背負わない」
・重いものは自転車側へ → オルトリーブ フォークパック、ボントレガー フレームバッグ
・バックパックはドイターの長時間背負っても煮崩れしにくいモデルを使用

旅先での体力温存・快適性は、荷物の配置で決まるといっても過言ではありません。

▶ 飛行機移動

・今回は往路 JAL(羽田→石垣)/復路 JTA(石垣→那覇)→ JAL(那覇→羽田)
・大手キャリアは20kg前後の無料預け荷物枠があるので安心
・乗り継ぎも1度の予約で取れば終着地まで持っていってくれるから安心
・LCCでも輪行可能だが、規定・追加料金の確認は必須

▶ 宿泊時の自転車管理

自転車は「基本的に屋外保管」と思っておくのが大前提。
室内に置かせてもらえたら、それは“特別な配慮”としてありがたく受け取りましょう。

⑤ まとめ:島と自転車は、やっぱり最高の組み合わせ

西表島の一番端っこの砂浜 独り占め

どこまでも続く水平線、風の音しかしない道、波の音に包まれる時間。
走って、止まって、感じて、また走る――そんな贅沢な時間を過ごすには、自転車という道具はぴったりでした。
気まぐれに立ち寄った場所で食べたごはん、知らない土地で交わした会話。
「計画通りじゃない旅」がこんなに面白いんだと、改めて感じました。

▶ おすすめの“島×自転車旅”

走る距離は自分で決められる ゆっくりでも、立ち止まってもいい 島の魅力が“点”で散らばっているから、自転車で回るのがぴったり
「ちょっとやってみたいけど不安」そんな方こそ、ぜひ一度チャレンジしてみてください。

装備や輪行についての相談は、いつでもサンクスサイクルラボ西葛西店までお気軽に!

たぐち

不安は大切な気持ち。過信せず、必要に応じて引き返す。

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