Madone SLRとEmonda SLRどう違うの?

投稿日:2019年3月18日 更新日:


ここ数週間Madone SLRとEmondaSLRを乗り比べています

「どれくらい乗ればバイクの印象ってわかるの?」これ結構疑問だったりしますよね。よく雑誌やwebなどで「インプレ」の記事を眼にしますね。恐らく皆様バイクの購入検討時に参考にされると思います。最近は「記事の答え合わせ」にご来店になる方も多くいらっしゃいます。

実際にどれくらいの距離を乗れば記事が書けるのでしょうか?そして、どういう目線でそれが書かれているのでしょう?

自分もWEB媒体でインプレ系の記事を書いた事があります。その際も大体「インプレ記事として書く」為の距離としては10キロくらいで、充分だったりします。
「バイクの特徴を掴み、記事としての印象を読み取る」のであればこのくらいで大丈夫でした。自分の場合ですけれどね(笑)
当時はあからさまにネガティブな事は書けませんし、自分の好みの話をするわけにも行きませんでしたから。ただ特徴をしっかりと捉えて、読者に伝えるというのを主眼にしていました。凄く幅の広い方に読んでもらえるように書いていた気がします。

今はお店での記事として書いているので、もう少し踏み込んでターゲットを絞った感じで書いています。お店に来てくださる方に寄り添ったレベルというか、これから先どんな風にこのバイク達と過ごしてもらえるかな?を考えています。

■「自分のバイクとして乗る」感じでないと本当の事はわからない。

ですから、お店での購入の参考にしていただく為になるべく「ライダー目線」で、より細かくバイクを知りたいと思っています。比較的レースやイベントに参加するライダーの目線でバイクに乗り、トレーニングしてバイクの特徴などもお伝えできれば良いかなと思っています。なかなか、全てのバイクでこうすることが出来ないのですけどね。。。

 

「MadoneとEmondaどっちが性能的に自分に合っているんだろう?」

こんな疑問を持つ事あるかと思います。大抵の方は「形が好きだからMadone」「ヒルクライムするからEmonda」こんな感じで検討を始められると思います。
なので、並列にこの2車種を比較される方って実は少ないのです。ただ、真剣にバイクを選ぶとしたら、2車種のどちらが「ライダー」や「やりたいこと」に適合した性能を持っているか? の判断はしていきたいところです。

前々回前回までの記事では、パワーメーターなしでバイクに乗り、文章を書いています。今回は普段「Emonda SLR」に装着してるP2m(パワー2マックス)のパワーメーターを装着して、ロング系の個人トレーニングと、お店の練習会形式のライド(平坦系)をしてきました。

この2つはEmonda SLRでも通常行なっているコースとメニューで実施しました。ホイールなどの差はあっても、バイクの印象や性能的な特徴をよりつかむことが出来たと思います。更に、感覚的な部分を数字を見ながら感じていく作業もできたので興味深かったです。

 

やはりMadoneSLRの魅力は「圧倒的な空力性能」

 

長い時間と距離乗って心の底から感じるのはこれに尽きます。当たり前すぎると言えばそうなのですが、この「空力性能」を軸にレースバイクとして仕上げられているのがMadone SLRであると言えます。
実際に出力との関連性を見ていきましょう。一般的なライダーの速度域だと単独走の場合時速30キロ近辺が常用スピードだと思います。この時に普段の出力で1〜2キロ速度が高くなる感じがします。出力にして200w行かないくらい。また速度の維持が確実に楽に感じます。

一般的に「空気抵抗は速度の二乗に比例」と言われています(これも諸条件で変わりますが)つまり、この速度が40キロに近づいていくと、更に少ない出力で良いということになりますね。

■集団内でも空力性能は効いてくる。
ちなみに集団内だと空気抵抗が減るので、エアロロードの効果が削減されてしまうのでは?という考え方をする方がいますが。。。そんな事はありません。
集団内で空気抵抗は削減されますが、ゼロにはならないのです。つまり集団内にいたとしたらライバルよりも確実に体力をセーブできます。

ロードレースで経験があるのですが、集団内にいると自分が出せる単独で出せる速度よりも遥かに高い速度を出せます。テンションが上がってしまい楽に感じてるけれど。。。実は体力を消耗してしまっている。(ツールドおきなわの210の時もそうでした)
当然速度が高いので受ける抵抗はそれなりにあります。集団内の抵抗の削減効果は3割前後と言われているので7割は、その速度なりの空気抵抗を受けています。なので空気抵抗の少ない機材は集団内でも有利です。グループ練習をしている時には集団内でも、恩恵を感じていました。

■脚を止めた時に速度の低下が少ないのはMadoneの特徴

空気抵抗の特徴として、脚で感じられるような「踏み心地」など直接的に響かないので解りづらいというのがあるのです。
単独走している時も感じられますが「脚を止めた時にバイクの減速が少ない」っていうのは、どんな方でも感じられるポイントかもしれません。
言葉にするのが難しいのですが「バイクがスーッと流れる」という感じです。

本当は緩斜面の下りの方が解りやすいのですが、河川敷の平坦路などでもわかるかも知れません。大抵の方はガンガン踏み込んだ時の加速の伸びというか、速度の上がり方に「あー!やっぱエアロロードってすごいんだ!」となるのですが、本当はその速度域から「脚を止めた時の減速の少なさ」に注目して欲しいのです。

これには「空気抵抗によって掛けられているブレーキ」を減らせてるからこそできるMadoneの特徴でもあります。また、ディスクロードに必ず採用されている「スルーアクスル」によって高められたハブ剛性の高さによって、ベアリングの回転性能が高いというのも関係しています。
ただし、空気抵抗の方が格段に大きいので「バイクの流れる感じ」の影響は空力性によってもたらされるものが大半です。

下りに関してはその高いフレーム剛性もあり、ちょっと焦るくらい速いですよ。
バイクがガッチリしていて安心感があり、コントロールもしやすいです。

■「もてぎ7耐」「つくば8耐」参戦ならMadone の武器が活かせる

絶対速度が低く、ペダリングの影響が大きい「ヒルクライム」の要素が大きいイベントでなければMadoneを選ぶ理由が多くなりそうですね。
前のインプレでも書きましたが「もてぎ7耐」「つくば8耐」などは集団から離れてピットインしたり、ピットアウトして集団に復帰するときなどに、力を使わずに済むのは武器になります。もてぎで地味に脚にくるコース途中の登坂も、速度域が比較的高く、集団内でこなせてしまうので、空気抵抗の削減効果があります。

Emondaは重量が軽いからヒルクライムバイクなんて誰が言った?

大抵の方はEmondaを「軽量山岳用バイク」というイメージで捉えられていると思います。そしてその「山岳用」というイメージは「フレーム重量が軽い」という部分で「山岳用」と思われているんじゃないでしょうか?
Emondaシリーズを発表された当時のプレスリリースなども「完成車重量5キロ台!」こんな感じのセンセーショナルな字句が踊ってたのを思い出します。

確かにEmondaのフレーム重量はとても軽いです。でもEmondaの「軽さの本質」はそこではありません。

■Emondaの軽さの肝は「ペダリングの軽さ」にある!

空力性能の観点で言うとEmondaはMadoneに敵いません。。。これは事実です。でも、EmondaがMadoneに圧倒的に優れているポイントがあります。
それは、、、「ペダリングフィールの良さ」です。

Madoneで気になるポイント、それは空力性能の良さでカバーされてしまう、「フレーム剛性の高さ」によりペダリングフィールの硬さなのです。
速度が上がっていくと「ペダリングフィール」などあまり関係がなくなってしまうのですが、空力性能の効果を発揮しづらい30キロ以下の速度だと「少々硬いな」という感じがします。多分プロクラスや、国内カテゴリー上位の選手だとあまり気にならないでしょうけど。。。

Emondaのペダリングフィールは「踏み出しの瞬間にペダリングをサポートしてくれる感覚」です。踏み込みの瞬間に思ったよりもバイクが「伸びる」のです。これは速度に関係なく得られるフィーリングで、絶対的な出力が高くなくても感じられます。
もし、女性のライダーでMadoneとEmondaどっちが良い?という質問があったら「Emondaをまず検討してからMadone」を考えた方が良いかな?とお答えすると思います。
TREKファクトリーチームの女性ライダーが結構Madoneを使っているのを見ると「流石ヨーロッパのプロサーキット走るクラスの女性ライダーは凄いな」と感じてしまいます(笑)

■Emondaの特徴は「レース機材として許されるレベルのしなやかさ」にある

決して「柔らかいフレーム」ではないのですが「しなやか」である事は確かです。それはフロント周りに関してもそうですし、BB周りに関しても「大げさにしなってペダリングをアシストする」というタイプではありませんが、本当に絶妙と言えるような、しなり方でペダリングをアシストしてくれます。
乗った時の「軽さ」を生み出しているポイントはここにあります。
またフレーム全体の剛性設計も形状も全て「効率の良いペダリング」の為に設計されていると言っても良いでしょう。

■自転車として解りやすい!それもEmondaらしさ

 

そこそこの年数自転車ロードバイクに乗っているとですね、色々なバイクに触れてきますし、所有もしてきます。Emondaに乗って感じるのは「今まで見知ってきたロードバイクの良質な部分の集合」という部分です。
「あからさまに、わかりやすく良いロードバイク」というイメージです。当然Emondaは最新鋭のロードバイクなのですが「ちょっとトラディショナルなバイク」と言うことも出来ます。Madoneは「なんか凄いマシーンに乗ってる」という感覚がヨシノリ店長はしています。

■もしツールドおきなわだったらEmondaかMadone迷いますね

もし「市民50kmクラス」ならなら疑う余地もなくMadoneだと思います。「100キロ」「140キロ」「210キロ」だと少々悩みます。一般的な考え方だと、羽地ダムの登りなどをなるべく有利に運ぶ為にEmondaだと思いますが、これだけ空力性能が高いのであれば、集団内でも独走状態になっても(レースからドロップしてグルペット状態で走るにしても)脚が残せるなぁと思うのです。

特にグルペットはローテが廻りません。また羽地ダムへ行く前の海岸線が結構長くて脚を削られます。「とにかく完走」という人であれば実はMadoneの空力性能は侮れないと思います。ラストの登りがキツイのは誰でも同じなので、レース全体の時間に対して有利な機材を選ぶという観点でしたらMadoneはアリだなと思います。

この辺は脚質によって答えが変わります。もし、真剣におきなわ向けにご検討されている方でしたら、データなどと同時にご相談頂けると、より明確に「どっちが向いているか」答えが出せると思いますよ。


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