「そろそろ息子のバイクを乗り換えさせたいんですよ」

そんなメッセンジャーが唐突に届いた。お互いの近況はSNS上で知ってはいたものの、果たしてお互いが顔を合わせるのは、、、多分15年以上ぶり。前に会ったのは、、、自分も彼もその頃はMTB-XCという競技でシノギを削り合っていたまだ20代の頃のお話。

自分が競技で芽が出始め、一桁の順位を連発していた頃には、もうレース会場にそんなに顔を合わせなかったような気もする。U23で世界戦に派遣されるようなメンバーだった彼は強かったな。
彼は大阪のライダーで、自分は東京のライダー。携帯のメールもチャットもない当時は(電子メールはあったけれど)遠方で会うレース仲間は「本当にレース会場で会う仲間」だった。
その当時の自分の、レースに対するスタンスは「自分の前を走るファクトリーライダー全員ぶっ殺す」そんな感じだった。レースを走り終わったらバカなこと言い合ったり、レースの話をするような事が多かったけれど、レースの時は「前を走る人は、一人でも多く抜いてやろう」そんな気持ちでいた。

自分の主戦場はレースでいう「セカンドパック」と呼ばれる場所。当時、強かったビンセント・フラナガンや野口忍さん、鈴木雷太さんや竹谷健二選手といった華々しい表彰台争いの少し下の順にどうにかして這い上がる。そんな目標を持っていた。
自分は、その当時はバイクメッセンジャーという仕事をしていて、その後もずっと自転車業界で生きてきている。彼は、ビジネスコンサルの仕事を今はしている。というのを、ある日申請のきたSNSで知った。お互い、時々画面上に出てくる近況を見たりしているだけだったのだけど、なんとなく「あー頑張ってんだなー」という感じで安心はしていた。

そんな感じのある日「息子が24インチのマウンテンバイクから乗り換えたいのだけど、なんか良いバイクありませんか?」そんなメッセージが来た。そして、お住いが西葛西店から結構近い事を知る。え!そんなトコに住んでたの!といった感じで。

X-cariber7 2017年モデル。
実はこのバイクは、サンクスサイクルラボ西葛西店の開店時からのメンバー。というと聞こえが良いが、いわゆる長期在庫の1台。なぜ、このバイクで、このサイズだったかというと。。。
葛西臨海公園や、荒川の河川敷でパパと一緒に乗って遊ぶ子供が乗るならコレでしょ!トレイルいくようになるかも知れないし!やっぱりこれくらいのスペックがないと!
開業前の寝不足や、軽躁状態のテンションで勝手に盛り上がりながら、開店時のラインナップに加えたのを覚えている。何度かご縁のあるお客様が来そうだったけれど、最終的にはクロージングできずお店の中に居た1台。

まさか、自分とシノギを削ったこともあるライダーの息子さんのバイクになるなんて。。。

正直とても嬉しかったのです。自分が「こんな風に乗って欲しい」そう思うお客様として、これ以上ないんじゃないか?と思えるようなライダーに縁がある。自転車屋冥利につきると言うものです。いやー、こんな最高なバイクがあったら、思い切り色々なところで遊べるし、そのうちトレイルにも行けるのではないかな?と、仕上げの作業をしながら興奮してました。
そして、しばらくバイクから離れてしまっていた彼は、お店の在庫車を見ると気になるらしく、マウンテンバイクが気になっている様子。良いじゃないですか、今はシクロクロスなんて楽しい遊びがあるので、また、思い切り走るのも楽しいと思います。

自転車を買うライダーにも「ストーリー」があるし、バイクそのものにも「ストーリー」がある。そういうモノをたくさん見られるのが「バイクショップ」という仕事の醍醐味なのです。

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と、1500文字くらいの「ウザ語り」の骨子はですね。。。。

「在庫の自転車売れてよかったぁぁああああああああああーーーーーー!」
じゃなくて、旧モデルの在庫特価もまだまだありますので、、、お店を覗いてみてくださいね!なのです。

これから、納車されるExcaliberちゃんは幸せに色々な所走りに行ってね!

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