番外編|ワタシが見てきた風景

 

今日で合宿5日目。。。もう朝起きるのが辛い。とにかく寝ていたい。

練習開始は9時朝食開始は8時、まだ寝れるとにかく眠い。

昨日は峠でのインターバル3回やったけど、朝のオフトゥン峠の方が険しんじゃないか。

いっしょに合宿している大学生達は本当にイキがいい。というか煩い。夜は静かにしてくれ。

そして大浴場で暴れるな!一緒になって騒いでいたのは自分だけど。。。

 

朝食会場では大盛りの白米と納豆を掻き込む。結構美味しいものだし結構食べれるもんだ。

部屋で着替えてからバイクを確認して集合。今日は150キロのロードワーク。

隊列を組んでひたすらローテーションしながら練習メニューをする山へ。

大学生は元気がいいな。意味なく飛び出したりするも、強豪選手に追われて逆襲されている。

もう、オジサンは高みの見物するので精一杯なんです。青色吐息。

♪きんいーろ。もーもいーろ。あーおいーろ吐息。

メニューは山頂までのペース走。心拍計を見ながらペースを決めていく。

どうにか3本のペース走のメニューをこなしていく。

 

復路はまた集団でのローテーション走行。バカで可愛い学生君達がジリジリとペースをカチ上げていく。

「なにやってんだ!年寄りをいたわれ!」「そんなんだと就職できねーぞ!空気読め!」

そう小心者なので心の中で毒づきながら自然なローテで前段に上がり、

まるでペースの指導をするかのような振りを見せ、全体のペースダウンを試みる。

 

鎖からとき離れたラブラドールみたいなバカ犬大学生達にそんな小細工は通用しない。

練習終了場所まであと20キロの小高い丘。一人が抜け出す。二人が追う。

後ろが千切れて逃げに乗っかった形になってしまった。

なんで反応してしまったんだろう。4名でローテが廻り始めて逃げが決まる。

 

一番空気が読めてないのは自分じゃないか。

あれだけ「お前らかち上げちゃダメだかんね!」なんて言っていたのに。

ローテしていて解る自分がこの中で一番弱い。

あと8キロ。目がチカチカしてくる。曳いてる時間は一番自分が短い。

あと2キロ我慢の限界が来そう。毎日同じ場所を通っているから解る。

次の短い坂で必ずアタックがある。赤点でテストを返されるのが解っている高校生のような

そんな気持ちで、その海岸線の短い坂を迎える。気持ちいいくらいのアタック。

あゝ若いっていいなぁ。。。ごま粒みたいになっていく彼を見ながら

全くつくことも出来す、アッサリと千切れる。

今日もまた地獄が終わった。。。

 

宿舎にグッタリしながら帰って来て、塩ジャリジャリのジャージのままベットに倒れこむ。

補給食の残りを食べて、サプリメントを飲む気力しかない。

でも、ちょっとだけ満足感と充足感を味わったりもする。

 

「ヨシノリさーん!風呂行きましょうよ!風呂!」

「いえーーーーーーい!」「風呂だぜ!イェーーーーーーッス”」

「しぃヤァァァァァァァぁぁぁぁぁッァッス!」(自転車世界でのお願いしますの意)

 

こんな景色。。。また見たいけど、もう見たくない。

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